


子どもの頃、糸電話の声に驚き、不思議な感覚を持ったことを記憶しています。小さなささやきでも感情や人柄、体温までが伝わるような気がしました。情報を伝える、返ってくる ピンと張った糸を介して、響きあい深まってゆく「コミュニケーション」というものへの興味こそ、今の仕事「コミュニケーションをデザインすること」の原点なのかもしれません。
企業や商品の志、そこに託された思いをつかみ、社会のどこへ、どう広げてゆくべきかを計画し、効果的に伝える。コミュニケーションのデザインは、単なる自己表現や装飾ではなく、言葉のように必ず「意味」があり、依頼主の望みや社会への眼差しに応えてこそ成立するものです。そこには思想や提案、あるいは批評などが内在します。それらをイメージに託して発信する、それが「デザイン」であり、言い換えれば、糸電話の向こうに伝えたいのは、イメージではなく、あくまでもイメージに託されたメッセージ。それがコミュニケーションの本意です。
ある意味においてわたしたちは、「ビジュアル・プレゼンター」です。
それは糸を介して「伝わる声」を視覚表現することなのかもしれません。
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広告・プロモーションの目的とは、販促ツール等によって顧客との関係を深め、好感から納得、共感へとつなげることです。だからこそ企業独自の「価値」と「言葉」と「イメージ」は必要であり、そこには「マーケティング」と「クリエイティブ」という二つの視点が不可欠になります。
顧客を軸に「売れるしくみ」をつくり出す活動がマーケティングであり、潜在的ニーズを具体的欲求に「つなげる」ことがマーケティング戦略の課題です。誰に、何を、いくらで売るのか?そして、それらをどう伝え、供給するのか?ターゲットを絞り、ポジションを考える。製品価値・流通・プロモーション等の要素をからめ、戦略を立てる。プロモーションは、整理された「情報」と意味のある「演出」で、商品の良さを効果的に伝えることによって「成果」につながります。
企業や、商品のコミュニケーションは、広告だけで成立するのではなく、ネーミングやパッケージ、流通上のポジショニング、存在感、さらには企業パーソナリティ、社名、マーク、ロゴタイプ、文化的活動、接客態度…まで、あらゆるものを媒体として発信されます。注目、興味、認知、好感、共感につながるイメージそのものを高めてゆくのがクリエイティブの本来の機能であるとすれば、クリエイティブはやはり「点」ではなく、「線」で伝えるべきものだと思います。



グラフィックには、「生き生きとした」「写実的な」という意があります。伝えたいメッセージを論理的に考え、イメージに託して情緒的、感情的メッセージにかえることが「表現」であり、写真、イラストレーション、コピー、タイポグラフィー等を使って、メッセージをまさに生き生きとした表現として定着させるものが「グラフィックデザイン」です。
求めるものは、社会で正確に機能し、誠実で適性な「表現」。
デザインには、戦略への理解と、戦術である表現力、造形力が必要です。ブルックスタジオはデザイナー(グラフィック)のプロダクションです。ひとりひとりがデザイナーとしての自覚をもち、デザインにできることは何かを考え、マス広告からプロモーション・ツール、VI、パッケージ、ディスプレイ、エディトリアルまで視覚のコミュニケーションをデザインする。それがわたしたちの方法です。