HOME | dialogue | No.1 アウンズ・ヤナギハラ

第4話。心でとどける。心をむすぶ。

株式会社アウンズ・ヤナギハラ 代表取締役社長 柳原 一貴氏(静岡県浜松市)
 

 No.1 理念をカタチにしてほしい

藤田 今日は風が強いですね。今朝方までひどい雨ふりでしたから、こんな日は新聞配達のみなさんは大変ですね。 

柳原 いやいや、どんな状況でも、新聞をお待ちになっているお客様に安全にお届けできるよう心がけていますよ。特に雨の日は、不自由なくご覧いただけるように新聞をビニールに入れてお配りしています。 
 
藤田 いつも思いますが、アウンズのみなさんは気配りが行き届いていて気持ちがいいですね。 
 
柳原 ありがとうございます。それが伝わってか、労いの言葉をかけてくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。そうした優しさに触れることで、スタッフ自身も喜びを感じることが多いんです。 
 
藤田 アウンズさんのシンボルマークを制作させていただいたのは、15年くらい前になりますよね。 
 
柳原 ええ。2002年でしたね。まだ「柳原新聞店」という社名だった頃です。当時、会社の知名度に比べて経営理念があまり伝わっていなかった。経営理念を新しくしたタイミングもあって、もっとわかりやすく、内外に浸透させるにはどうすればいいのかと考えていて・・・。
 
藤田 そうでしたね。「ファミリーのような会社づくり」と、「情報やサービスの提供による地域の皆様とハートフルなネットワークの創造」という理念をカタチにしてほしいというご依頼をいただきました。 
 
柳原 実は、いつだったか、藤田さんの講演を聞いたことがきっかけだったんですよ。「企業が業績を高めるためにはいかにブランディングが必要か」という力説(笑)に圧倒されて! 
 
藤田  そうだったんですか。ブランドには「識別」という役割があるんですね。つまり・・・(力説5分後)あ、また力説しちゃいましたね。 
 
柳原 あはは、力抜いて。 
 
藤田 すみません、ついつい(笑)。さて、本題にまいりましょう。当時、ご依頼を受けて、まずは柳原新聞店さんの現状や未来についてお話を伺いました。それから、具体的にブランド構築の基本方針の策定、課題抽出。ブランド・アイデンティティの構造、コミュニケーション・シナリオをフローチャートで説明させていただいて、CI※1開発が始まりました。 
 
柳原 ええ。新聞を届けるだけじゃなく、様々な新しいサービスに取り組むことで、お客様と枠組みを超えたお付き合いをしたい。販売店が核となって地域課題も解決できるようなコミュニティを創出できたら、と考えていました。
 
藤田 柳原新聞店さんはそのとき既に、社屋や販売店の一部を使って、趣味の講習会を開催したり、オリジナル情報誌、エムズ倶楽部というカルチャーサロン、コールセンター業務も始めていましたよね。その上で、いままでやってきたことを原理原則に立ち返って考えてみて、これから10年、20年先も変わらないことって何だろうと。
 
柳原 我々が目指していたのは、生活情報サービスの提供です。「とどける、むすぶ、ひろがる」。これはきっと変わらないだろうと話し合いましたよね。 
 
藤田 そうして生まれたのが「心でとどける。心をむすぶ。」というブランド・スローガンでしたね。 
 
柳原 経営理念がちゃんと連想できるブランド・スローガンになったことが、なによりも良かったなあと思っています。それは、シンボルマークも同じ。なかなかそういう企業って少ないでしょう。 
 
藤田 そうですね。本来はそうあるべきなんですけどね。柳原新聞店さんは強い理念があったから、シンボルマークに関してもビジュアルにしやすかったんですよ。本質は、「とどける、むすぶ、ひろがる」ですから。 
 
柳原 それにしても、こんなふうに3つのビジュアルが重なったシンボルマークにするっていうのはうまいこと考えましたよね。正直言っちゃうと、最初に見たときから「これだ!」って直感してたんですよ。 
 
藤田 本当ですか。確かに、シンボルマークというと1つだけで表現されている方が印象が強いかもしれないですね。でも僕は、柳原新聞店さんの取り組まれていることって、とても1つじゃ表せないと感じたんです。
 
柳原 まさにそうですね。3つのビジュアルを組み合わせるのはうちの経営理念にぴったりですよ。 
 
藤田 それから、3つの組み合わせだけじゃなくて、真ん中のひとつだけでもシンボルとして使えるようにしたのも新しかったのかもしれません。柳原新聞店さんのCIは、デザイン業界でも高い評価をいただいて、デザイン賞受賞をはじめ多くの書籍にも掲載していただきました。 
 
柳原 僕も、報告を受けるたびにとても誇らしい気持ちになりました。 
 
藤田 「CIとはマークを新しくすること」と理解されることが多いのですが、その本質は「企業文化を高め、顧客をはじめとする関係者や企業、社会とよりよい関係を築くこと」が目的です。MI※2(考え方や理念の統一)、BI※3(行動の統一)、VI※4(視覚の統一)の3つの要素がそろって、CIが生み出されます。つまり、理念をわかりやすく親しみやすい言葉にしたり、シンボルマークをわかりやすいカタチにして効果的に使ったりすることで、社会の中に浸透させていくことが大切なんですね。 
 
柳原 なるほど。確かに、シンボルマークができたことで、理念がスタッフにも浸透し、会社として向かうべき方向がはっきりしました。それに、スタッフだけじゃなく、お客様や周りにも浸透したのか、うちの会社を理解して評価してくれる人がとても増えました。それって、すごく幸せなことです。 
 
藤田 「幸せ」、それは僕にとってもありがたい言葉です。

     

 



ブルックスタジオ制作実例

>アウンズ・ヤナギハラ

 

株式会社アウンズ・ヤナギハラ(旧 柳原新聞店)

1960年3月3日、新聞販売店として創業。2015年、創業55周年を節目に「ホスピタリティ流通業」としてさらなる進化・発展をするために社名変更。「心でとどける。心をむすぶ。」を合い言葉に、「新聞事業部」「カルチャー事業部」「食品宅配事業部」「健康介護事業部」「生活サポート事業部」と、様々な事業を展開している。
 
▶︎アウンズ・ヤナギハラホームページ

 


 
※1)CI[コーポレート・アイデンティティ]:企業の社内意識と、社外からの企業イメージが、同一化された状態のこと。目標とする企業イメージを確立させ社会に伝えていき、企業のブランド価値や認知度を高めることで、企業の業績を向上させることがCIの役割である。 また、企業内でもアイデンティティを確立・共有し、社員の心のよりどころや誇りとなる役割もある。
※2)MI[マインド・アイデンティティ]:企業理念や企業の方向性、考え方、ビジョンの統一化を図ること。
※3)BI[ビヘイビア・アイデンティティ]:そこで働く人たちの行動、ふるまい、発言の統一化を図ること。
※4)VI[ビジュアル・アイデンティティ]:企業の視覚的要素のすべてをデザイン的に統一すること。
※5)スマイルスタッフ:アウンズ・ヤナギハラの社員のこと。常に笑顔を届けるために「社会との調和」、「人間力の発揮」、「お客様本位」を目標に掲げ、実践している。
※6)アクル:機能訓練専門デイサービス「きたえるーむ」の運営。高齢社会における「クオリティオブライフ=生活の質」の向上に貢献している。
※7)ファーブル:農家さんの畑=ファームとご家庭のテーブルを結ぶ「ファーブル倶楽部」。
※8)トーン&マナー:表現の一貫性を保つためのスタイルや方法などのルール。統一した「らしさ」を与えることで、その魅力は何倍にもなり、記憶にも残る。

contact
contact
ブルックスタジオでは、規模の大小や業種に関わらず、ご相談を承っています。
お気軽にお問い合わせください。
(オンラインでのご相談も承ります。)